基礎医学

骨粗鬆症の薬一覧【60歳以上の方を治療するなら必読】

こんにちは、カラダ・ラボ オレンジです。

先日痛みの種類と薬について解説した記事を書きました。

 

接骨院やスポーツジムに勤務されている場合、薬についての説明を受けたことがない方が多いのではないでしょうか。

しかし、世界の薬の40%を日本が消費しているといわれるように、あなたがいつも施術している患者さんは高確率で何らかの薬を服用している可能性が高いです。

学校や勤務先では教えてくれませんが、カラダに関わる身としては薬剤師ほど詳しく知る必要はないけど、患者さんに簡単に説明できるくらいの知識は身につけておきたいところ。

 

そこで、今回は薬の解説【第二弾】としまして、骨粗鬆症の薬について記事を書いていきます。

骨粗鬆症 タイトル

 

骨粗鬆症について簡単に復習しましょう

まずは骨のリモデリング、骨粗鬆症の定義、種類を簡単に復習しましょう。

 

骨粗鬆症とは

骨粗鬆症とは

【骨強度の低下に伴い骨折の危険性が高くなった状態】

と定義されます。

※【骨強度=骨密度+骨質】

 

骨粗鬆症自体が痛みを引き起こすわけではありませんが、骨折などを引き起こすと著しいADL制限につながり、寝たきりなど原因にもなりうるため適切な治療が必要です。

骨粗鬆症の治療は主に薬物療法、運動療法、食事療法がありますが、今回は薬物療法を掘り下げます。

 

骨のリモデリング

骨粗鬆症の薬物療法の解説の前に、骨のリモデリングについて復習しましょう。

 

骨は常に骨を作る細胞(骨芽細胞)による「骨形成」と、骨を壊す細胞(破骨細胞)による「骨吸収」を繰り返して再構築(骨リモデリング)を続けて常に新しく生まれ変わっています。

骨リモデリングの周期は1サイクル1~4年で、破骨細胞による骨吸収が2~4 週で、骨芽細胞による骨形成が2~4 カ月です。つまり、骨は急激に吸収されてゆっくりと形成された後、さらに長く休むという周期を繰り返して新しい骨に置き換わっているのです。

このバランスが崩れて、骨吸収が骨形成を上回ったときに骨粗鬆症が発症します。

 

骨粗鬆症にも2種類ある

”骨が脆くなる“骨粗鬆症といっても、そのメカニズムは

  •  高代謝回転型骨粗鬆症(閉経後骨粗鬆症)
  • 低代謝回転型骨粗鬆症(老人性骨粗鬆症

の2種類に分けられます。

骨粗鬆症の種類

 

高代謝回転型骨粗鬆症は、閉経後にエストロゲンが欠乏することによって起こります。

エストロゲンは、破骨細胞を抑制して骨形成をさせる働きがため、閉経によってエストロゲンが欠乏すると骨吸収が増加して骨量が減少し骨粗鬆症が起こるのです。

 

低代謝回転型骨粗鬆症は、加齢によるさまざまな機能低下が原因で起こります。具体的には、加齢よる破骨細胞や骨芽細胞の機能低下や腎臓や肝臓の機能低下に伴う活性化ビタミンD3の減少によるCa不足などによる骨形成の低下です。

この結果骨形成よりも骨吸収の方が多くなり骨量が減少し骨粗鬆症が起こります。

 

骨粗鬆症の薬一覧

骨粗鬆症の薬 一覧

骨粗鬆症の薬には大きく

  • 骨吸収抑制薬
  • 骨形成促進薬
  • その他

の3つの種類があり、目的が全く違います。

 

それぞれ詳しく見ていきましょう。

 

骨吸収抑制薬

骨吸収抑制薬はその名の通り骨が壊されるのを抑える薬です。

そのため、高代謝回転型骨粗鬆症(閉経後骨粗鬆症)のに対して主に使用されます。

 

種類は

  1. ビスホスホネート薬(BP)
  2. 選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)
  3. 抗RANKL抗体薬

などがあります。

 

①ビスホスホネート薬

ビスホスホネート薬は、骨を壊す破骨細胞に働きかけ、骨密度を増加させます。

副作用は消化器障害(胃部不快感、便秘など)や顎骨壊死があり、消化器症状は【服用時にコップ1杯の水を飲み、服用後30分間は横にならない】というポイントを守ると副作用の出現率が激減します。

また服用中に顎の痛み・腫れ・膿がみられるときは顎骨壊死の可能性があるのですぐに医師、歯科医師、薬剤師への相談が必要です。

商品名はボンビバ、リカルボン、ボノテオなどが有名です。

 

②選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)

選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)は、エストロゲンと似た作用で破骨細胞を抑制して骨形成をさせる働きがありますが、骨以外の臓器(乳房や子宮など)には影響を与えません。副作用は静脈血栓塞栓症があり下肢の痛み・むくみ、息切れなどがあったらすぐに医師への相談が必要です。

商品名はエビスタ、ビビアントなどが有名です。

 

③抗RANKL抗体薬

抗RANKL抗体薬は、破骨細胞の形成や活性化に関わるたんぱく質(LANKリガンド)に作用することで骨吸収を抑制します。服用方法は6ヵ月に1回の皮下注射のため、継続しやすいというメリットがあります。

副作用は低カルシウム血症、関節痛などがあり、手足の震え、痙攣、不整脈がみられたらすぐに医師への相談が必要です。

商品名はプラリアが有名です。

 

骨形成促進薬

骨形成促進薬もその名の通り骨が作られるのを促す薬です。

そのため、低代謝回転型骨粗鬆症(老人性骨粗鬆症)のに対して主に使用されます。

 

種類は

  1. 副甲状腺ホルモン製剤(PTH)
  2. 活性型ビタミンD3製剤
  3. ビタミンK2製剤

などがあります。

 

①副甲状腺ホルモン製剤(PTH)

副甲状腺ホルモン製剤(PTH)は、骨芽細胞を活性化させ、骨強度を高めます。そのため、骨密度が非常に低いなど骨折リスクが高い患者さんに適した薬です。

副作用はショックや一過性の急激な血圧低下に伴う意識消失があらわれ ることがありがあるため注意が必要です。

商品名はフォルテオ、テリボンなどが有名です。

 

②活性型ビタミンD3製剤

活性型ビタミンD3製剤は、食事で摂取したカルシウムの小腸からのカルシウム吸収を促進させ骨量の減少を抑えます。骨粗しょう症治療では古くから使われている薬です。

副作用は口の乾き、吐き気などの症状が出現する高Ca血症などがあるので注意が必要です。

商品名は、エディロール、ロカルトロールなどが有名です。

 

③ビタミンK2製剤

ビタミンKは骨の代謝に関与し、骨形成促進・骨吸収抑制の作用があります。

そのため、ビタミンK2製剤は、骨密度を著しく増加させませんが、骨形成を促進する作用があり骨折の予防効果が認められています。
使用上の注意として、ビタミンKは血液を固めて出血傾向などを改善する作用も持っているため、拮抗する作用を持つ抗凝固薬のワーファリンなどとは併用できません。

商品名はグラケー、ケイツーなどが有名です。

 

その他

骨吸収抑制薬や骨形成促進薬の他に、骨を作る主要な成分であるカルシウムが処方されることがあります。

 

カルシウム製剤

カルシウムは骨を作る主要な成分であり、欠かせないミネラルです。食事療法とともに処方され不足したカルシウムを補充します。

副作用は消化器症状(便秘)や高カルシウム血症、結石症があります。

商品名はアスパラ-CA錠、カチコール末、乳酸カルシウム「ホエイ」などが有名です。

 

まとめ

今回は骨粗鬆症の薬について解説しました。

臨床において骨粗鬆症の患者さんは多く今後も増加傾向にあると考えられますが、やはり薬についての知識は不足しがちです。

骨粗鬆症でも高代謝回転型骨粗鬆症(閉経後骨粗鬆症)なのか低代謝回転型骨粗鬆症(老人性骨粗鬆症)なのかで薬も全く違ってきます。

 

セラピストとして知っておきたいのが薬の副作用です。医師よりも身近にいる私たちが小さな変化・不安に気づくことができれば重度な副作用を防げるかもしれません。

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