
こんにちは、カラダ・ラボ オレンジです。
整形外科で勤務しているとよく頂く質問があります。
✔ よく頂く質問
最近ひざが痛くて病院に行ったら「変形性膝関節症」と言われた。
噂には聞いていたが、実際のところ変形性膝関節症とはどういった病気なのだろう。
上記を解説していきます。
治療の前に、変化性膝関節症のことを理解しましょう。
変形性膝関節症とは。簡単に解説します。
結論はシンプルです。
上記です。
ここで言う、ひざ関節が変形するというのは、ひざにある関節軟骨が少なく(最終的にはなくなる)なってしまい、足が一本の棒のようになってしまうことをいいます。
ひざの軟骨が少なくなるとは、どういうことか。
骨の両端は、関節軟骨で覆われています。
関節軟骨とは
骨の両端を覆う軟骨(硝子軟骨)で、ひざ関節においては2〜4mmもの厚さがあります。硝子軟骨は、軟骨細胞とその周りの組織(コラーゲン等)から作られていて、その約80%は水分です。この水分(関節液)が、クッションの役割や、関節内の摩擦を減らす役割をし、ひざの負担を軽減しています。
アイススケートの摩擦係数が0.25くらいなのに対し、硝子軟骨の摩擦係数は0.2〜0.005と言われています。
上記のとおりです。
関節軟骨と関節液が合わさることによって、関節内はすごくなめらかに滑るようにできています。
ひざの関節軟骨が少なくなるというのは、この関節軟骨が徐々に減っていってしまい、最終的にはなくなってしまうということ同じことです。
関節軟骨がなくなっていく、変形性ひざ関節症の未来
最終的には、ひざ関節が棒のようになり動かなくなります。
関節軟骨は関節の動きをなめらかに動くようにしてくれる組織です。
関節軟骨がなくなると言うことは、ひざがスムースに動かなくなるということ。
残念ですが、最悪の未来は上記です。
曲げ伸ばしが全くできず、一本の棒のようになります。
そこにいくまでの過程で、ひざが腫れたり、水が溜まったり、痛みで動くのが嫌になったりと、いろんな苦痛を伴いながら、1本の棒へと近づいていきます。
実際は、その状態になる前に、ひざ関節を手術で人工関節にしたりすることが多いですが、どちらにしろ消耗します。
変形性膝関節症と診断された今後どうすればいいか。
関節軟骨にダメージが加わらないようにすること。
方法としては2つあり、
- 炎症を抑える
- 膝にかかる負荷を減らす
上記を簡単に解説していきます。
炎症を抑える
ひざの炎症が、関節軟骨を減らし変形性ひざ関節症を進行させてしまいます。
炎症の5徴候
- 痛み
- 熱を持つ
- 皮膚が赤くなる
- 腫れる
- 関節が動きにくくなる
ひざを観察し、上記のような症状がある場合は炎症を抑える治療をする必要があります。
炎症を抑える治療を行う場合は、病院にかかるのがベストです。
✔ 炎症を抑える治療
- 炎症止めの内服
- 注射
- 湿布
上記のような治療があります。
炎症を抑えるなら、接骨院とかでも大丈夫だよね。
接骨院などでの治療は、あくまでも治療の補助なので、やはり病院にかかるのがベストです。
ひざにかかる負担を減らす
ひざの関節軟骨が減少し、変形が進むそもそもの原因はひざに負担がかかるからです。
ひざに負担がかかる原因
- 筋力の低下
- 運動機能の低下
- 関節の動きの低下
上記などです。
だいたいの方が当てはまるのですが、自分の膝に負担がかかっているなんて思ってもいないんですよね。
なので、いつの間にか進行し状態が悪くなってしまっています。少しでもひざに違和感を感じる場合は、早めに自分の膝の状態を、専門家にみてもらうようにしたほうがいいかもです。
変形は進むもの。予防が未来を明るくする。
変形性膝関節症は、関節に負担がかかり、関節軟骨が減っていってしまう病気のことです。
早めに対策しなければ、変形は進むばかりです。
現実は残酷です。
とはいえ、早い段階で対策をしていけば、それだけ進行を遅らせることが可能。80代で変形性膝関節症と診断されても、楽しくダンスを踊っている方もいらっしゃるくらいです。
こんな老後は最高ですね。