膝関節

膝関節にある半月板について詳しく解説します

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半月板

整形外科でのリハビリでは、半月板由来の膝の痛みって結構多いです。
勉強してないとこの痛みなんだかよくわからないな、、、
ってなるんですよね。
半月板由来の痛みは、受傷機転が明確なもの以外は、半月板に付着している組織の固さによって半月板の移動がうまくいかず、骨と骨に挟まれてしまうために起こる impingement によるものです。
これに気付くか気付かないかで、膝の痛みを良くできるか良くできないかが分かれます。

ということで、リハビリに最低限必要な半月板の知識を深掘りしていきます。

半月板の構造などから理解していけば、なんだ意外とわかりやすいじゃんってなると思うので、諦めずに積み重ねていくだけです。

この記事は、整形外科で10年間リハビリをしている柔道整復師が、この知識を得たことによって、患者さんから指名をいただけるようになっので、それなりに参考になる記事だと思います

膝関節にある半月板のことを詳しく解説します

半月板の微細構造〜3層構造って知ってましたか?〜

半月板は7割が水、3割が細胞外基質や細胞などの有機物で構成されています。コラーゲン繊維の配列は3層構造を呈していて、表層から

superficial network
lamellar network
central main network

と呼ばれています。

半月板のほとんどを構成している central main network はコラーゲンが円周方向に配列しているので圧縮負荷を分散する役割があり、表層の繊維はランダムに配列しているため関節と半月板の表面に生じる剪断力などのさまざまな外力に耐えられる構造になっています
簡単に説明すると、central main network はクッションの役割をしていて、そのほかの繊維はクッションを守る鎧のような役割をしています。

中はふんわり外はサクサクみたいなイメージです。

半月板は外がO、内がC

半月板は外側半月板(以下LM)がO字、内側半月板(以下MM)がC字の形をしていてMMの方がLMに比べて大きい形になっています。

脛骨をどれくらい覆っているかというとLMが75〜93%、MMが51〜74%とLMの方が脛骨を多く覆っています。付着に関してはACLの付着部の近くにLMの付着部が存在し、ACLを挟むようにMMが付着しています。これ半月板の運動を知る時に意外と重要な知識です。

この形状と、周囲の組織との付着の関係で、LMはMMに比べて前後にたくさん動けるようになっています。この動きが半月板に付着する組織の固さなどによって阻害されてしまうと、大腿骨と脛骨の間で挟まれてしまい、半月板の外側1/3を中心とした痛みが生じるわけです。

膝関節の運動を勉強するのに役に立つ知識なのでぜひ覚えておくことをおすすめします。

半月板に付着するもの

さまざまな軟部組織が半月板に付着し、安定性や運動に関わっています。
ここでは膝関節の屈伸運動に関連づけて半月板に付着する組織を提示していきます。

前方移動を誘導する組織としては、半月膝蓋靱帯、横靱帯、膝蓋下脂肪体
後方移動を誘導する組織には内側側副靱帯、半膜様筋、膝窩筋、半月大腿靱帯が半月板を誘導することによって、大腿骨と脛骨の間に挟まれないように、コントロールしています。

この組織たちになんらかの異常があると、半月板が impingement されて痛みが出てしまいます。ずっとこのストレスが続けば断裂することもありえます

半月板の血行と神経〜重要です〜

半月板 血液分布

半月板の血行は、外側・内側膝動脈の上枝と下枝から供給されていて、辺縁10〜30%の範囲で毛細血管網をつくり半月板を栄養しています。

特に臨床では必要ない知識かもしれませんが、半月板の血行は加齢にともなってどんどん減少していくって言われます。主な半月板の栄養供給は滑液による拡散によるもと考えられていて、それには荷重が必要になります。出生児に、半月板全体に血液の供給があるのは荷重による拡散ができないためです。そう考えると、運動機能が低下してきた高齢者で歩くのが大変すぎて歩かない人って血管も減っていて荷重もかからない、ときたら半月板の栄養供給って、、、大変だなって思いますよね。

だから、痛みのない範囲で歩くことは非常に大切なことなんですね。

 

続いて、、、
感覚受容器と神経分布ですが、

侵害受容器である自由神経終末と
機械受容器であるルフィニ小体、パチニ小体、ゴルジ腱器官

が存在していて、神経支配は血行動態と類似してます。

半月板に加わる圧縮力や伸張負荷は半月板の機械受容器を介して中枢神経系に伝達され身体や膝の運動がコントロールされます。荷重による力学的負荷が半月板に生じた際には、半月板辺縁が外側に広がるために、半月板辺縁には多くの神経が必要と考えられます。また膝屈曲・伸展時には半月板の移動や圧縮により前角や後角には過度なストレスが生じやすいため前角と後角に神経支配が多いと推察されます。

 

※半月板の形態異常は外来でみていると結構遭遇しますが、種類として付着部の異常、円板状半月、靭帯の欠損などが報告されています。日本人の円板状半月板の発生率はLMは40%で異常形態が認められ、MMは全例が正常だそうです。40%は外側半月板の形態異常がいるって驚きですね。

半月板のバイオメカニクス

半月板は圧縮ストレスには弱いが伸張ストレスには強くできています。

半月板の組織強度は研究によって、伸張ストレスには強く、圧縮ストレスには弱い構造になっていることがわかっています。半月板の主要なコラーゲン繊維の配列は円周方向に走行してるためです。イメージはバームクーヘンのような感じです。
圧縮ストレスに対して半月板はなんと関節軟骨の1/10程度の強度であるということがわかっていて、これは膝関節の運動時に大腿骨の接触領域に応じて半月板の形状に変形が起こり、関節の適合性を上げるためにこのような構造になっています。

という事は、半月板の機能は“関節の適合性を良くする事で、接触圧を分散し関節軟骨にかかるストレスを軽減している”という解釈ができます。

なんとなく、半月板がどんな組織で、どんな機能があるのかわかってきましたね

半月板のコンタクトキネマティクス

半月板は放射状の力に対する抵抗力に優れた構造を持ます。半月板の機能で hoop sterain という機能があります。

簡単に説明すると
半月板が潰されると、柔軟に形を変えることによって
潰される力を半月板の繊維が伸ばされる力に変えるという機能です。

このhoop sterainという機能が非常に重要で、半月板の損傷や切除によって連続性が絶たれると膝関節の運動によって大腿骨と脛骨の接触圧が増大してしまいます。そうなると、関節への負荷が増大してしまうため、関節軟骨の変性などに繋がっていくわけです。

hoop sterainがちゃんと機能するためにも、半月板の連続性を維持するのが重要ということでしょう

膝関節屈曲伸展運動に時の大腿骨と脛骨の関節接触面の移動に合わせて、半月板は前後に移動します。

膝関節の運動に合わせて、半月板が前後に移動することにより、脛骨大腿関節と密着し応力分散の役割を果たすことができます。半月板は膝関節屈曲時に後方へ移動し、LMの方がMMよりも多く動きます。さらにいうと、後角よりも前角の方が大きのでより損傷しやすくなります。

 

半月板の治癒反応

半月板の治癒は損傷領域によって違います

先程、説明した血行分布の領域によって修復の望めるもの望めないものが異なります。

red-red zone 損傷しても治癒良好と言われている
red-white zone 損傷形態によって修復が認められる
white-white zone 血流による修復過程が生じないため修復はされない

どの、zoneが損傷されたかによっても今後の治療の組み立てかたは変えていかなければいけないです。
ただ、hoop sterain のことを考えると、切除はどうなんだろうと思ってしまいます。

まとめ

✓半月板の機能は、関節の適合性をあげて接触面を減らすことです。
✓そのために、大部分は円周方向に線維が配列し圧縮ストレスを分散し、外の線維が直接的な剪断力などから中の繊維を守るような構造をしています。
✓付着する筋肉や靭帯、その他の軟部組織によって半月板は移動します。この移動が、何らかの原因で阻害されると関節内で impingement されて痛みや損傷の原因になります。
✓血管・神経分布によって痛みの程度や治療の方法が変わります。
✓hoop sterainという重要な機能があります。

半月板の数ある知識の中で、まず覚えておいたほうがいいものをピックアップしてみました。この知識を、現場の患者さんの症状と照らし合わせて評価を行なっていく事で、ストレスなく評価から治療に繋げていけるのではないかと思います。何かとっかかりができると、その後の勉強もコツを掴み始めてくると思うので、どこかの疾患を腑に落ちるまで勉強していく事をお勧めします。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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