膝関節

膝関節とは。機能、構造、解説します【膝関節の基礎】

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膝関節解剖

ヒトのカラダにはいくつもの関節があって、それぞれにさまざまな役割があります。膝関節は構造的には不安定な関節にもかかわらず動く支えるという機能をしなければいけません。そのような関節が本来の役割を果たすためにどんな構造をしているのか知らなければリハビリはできないと僕は考えています。
リハビリをしていく中でセラピストに必要な知識とスキルには、次の5つがありまして

1)疾患の病態
2)機能解剖学
3)力学的ストレス
4)痛みのメカニズム
5)患者教育

この5つをしっかりと理解しておくことによって、スムーズな評価からの治療が可能になります。

今回の、膝の記事は 2)機能解剖に入る前の基礎的な膝の機能と構造について軽く触れていきたいと思います。
きっとこの記事だけでは不十分なので、今後各組織については別の記事で肉付けして知識のボリュームを増やせるようにしていきたいと思います。

この記事を書いている僕は、10年間整形外科に勤務してそれなりに膝に障害のある患者さんを良くしてきているので、優先的に知っておいたほうが良い膝の知識から順に記事にしています。なので、膝の勉強の導入としてはなかなかわかりやすい内容になっていると思います。

膝関節とはどのような関節なのか解説します。

膝関節には2つの機能があります。2つの機能というのは“可動性”“支持性”です。歩く動作や体幹を支えるといった役割が膝関節には求められています。たとえば、膝がずっと伸びっぱなしだったら段差を上ったり下ったり、下のものを拾ったり結構いろんなことが不便になります。イスに座るのも大変になりますよね。逆に、膝がぐにゃんぐにゃんでしっかりと安定していなければ、重い体幹をしっかり支えられずにカラダはたちまち潰れてしまいます。なので膝関節はしっかりと動く“可動性”体を支える“支持性”の両方を兼ね備えた関節なのです。しかし、膝関節は構造的に非常に不安定です。重要な役割を求められている膝関節がどのようにしてその役割を果たしているか、ここからは膝関節のことをもう少し掘り下げてみていきたいと思います。

膝関節“可動性”“支持性”を可能にしている構造を詳しく解説します

膝関節は、大腿骨・脛骨・膝蓋骨の3つの骨がそれぞれ【内側脛骨大腿関節(以下、内側FT関節)】・【外側脛骨大腿関節(以下、外側FT関節)】・【膝蓋大腿関節(PF関節)】を形成しています。関節というのは、Ball(骨頭) and Socket(関節窩) といわれる構造をしていて、関節窩の中に骨頭が収まる状態をしています。代表的な関節が股関節ですね。股関節のような関節は、受け皿側のほうが大きい構造をしているため構造的には非常に安定した関節と言えます。それに比べて膝関節は、内側FT関節・外側FT関節共に骨頭に比べて関節窩が小さい構造をしています。しっかりとした支持性を必要としているにもかかわらず、骨の構造は不安定なのです。この構造上のマイナス面を補うために膝関節には、靭帯や半月板・筋肉といった組織が不安定な関節を補強しているのです。靭帯は、骨と骨をつなぐバンドの役割、半月板は骨と骨の適合性を高める役割、筋肉は筋収縮によってによって動的に関節を安定化させています。各組織に関しては、それぞれ別で記事を書いていこうと思っていますので、しばしおまちください。

まずは、膝がしっかり曲げ伸ばしできるかです

膝の評価をするにあたってまず重要なのが、可動域を最大に使って曲げ伸ばしできているかが重要になります。曲げ伸ばしができなくなっているということは“関節になんらかの異常がある”と思って間違いありません。異常があれば、膝の機能が損なわれている可能性が高いので無駄なストレスがかかりやすくなってしまいます。この状態で日常生活を送っていると、いつか膝がダメになってしまい痛みが出たり腫れてしまったりと障害が出てきます。セラピストがしなければいけないことは膝関節がスムーズに曲げ伸ばしできる状態を作りそれを維持することです。なので、最初に膝が十分に曲げ伸ばしできるかの評価が非常に重要になります。評価がしっかりと行えることによって良い治療ができるようになります。

知識以外に、セラピストに必要なスキルがあります

膝 さわる

本題とは全く違う内容ですが、患者さんを“さわる”というスキルも臨床では非常に重要になるので補足で解説していきます。“目的の組織にさわる” “患者さんが緊張しないようにさわる” など僕たちは少なくても何回かは治療の中で患者さんにさわることが必要です。さわることが上手なセラピストは患者さんにも信頼されるので治療がスムーズに行なえます。僕自身がさわる時に考えていることは、

  • しっかりと触りたい組織をイメージしてさわる
  • 強さを考えてさわる
  • 運動の方向を邪魔しないようにさわることです

ここからは、またひとつずつ掘り下げて解説していきます。

✓しっかりとさわりたい組織をイメージしてさわる

これは、評価がしっかりとできているというのが大前提になりますが、、、
材料が揃っていても目的のものにしっかりとアプローチできなくてはそれはそれで良い治療はできません。目的の組織にさわるためには、どこに、どのくらいの大きさで、どれくらいの深さで存在するかというのを把握していなければいけません。そのためには、解剖学を勉強しイメージを膨らませ、実際の同僚などのカラダで練習させてもらう必要があると思います。エコーなんかが使える方は利用すると可視化できるのでより触診の精度が上がるかなと思います。

✓強さを考えてさわる

患者さんの状態に応じて強さを考えてさわります。同じ組織をさわるのでも、痛みに強い患者さん弱い患者さん、筋緊張の強い状態弱い状態などで同じ強さでさわっても痛みが出たりしてしまいます。痛みを出してしまえば、より筋緊張が強くなる原因になりますので、治療効果が出にくくなるだけではなく患者さんに嫌がられてしまうこともあります。治療上、症なく出てしまう痛みもありますがそういった物を覗いて極力痛みが出ないようなさわり方を意識していいくと良いと思います。

✓運動の方向を邪魔しないようにさわる

ROMエクササイズや反復収縮を使って筋肉を緩めることはよくあると思いますが、患者さんがうまく自分の誘導した方向に動いてくれないのは自分がその運動を止めてしまっているからかもしれません。中には、本当に運動が上手ではない患者さんもいますが、全てそのせいにしてしまうのは危険です。原因としては、

#1、自分が動かしていると思っている方向と実際に動いている方向が違う
#2、自分にすごく力が入ってしまっていて患者さんの動きを止めてしまっている

の2つが、大きな原因ではないでしょうか。
解決策は、“同僚のカラダをかりてたくさん練習する”です。
同業者であれば運動の意図を伝えればそれができているかできていないか、どっちにどんな力をかければいいか教えてくれますし、自分自身がその手技を受けてみると、患者さんの受けている感覚がわかります。自分の思っていた、手技のイメージと違かったなんてこともよくあるので自分で受けてみることは非常におすすめです。

■まとめ

膝関節は構造的に不安定な関節にもかかわらず可動性と支持性を求められている関節です。骨だけでは、しっかりとした安定性が獲得できないため靭帯や半月板、筋肉といった組織が、関節を安定させています。膝関節の動きの中で一番基本となるものが曲げ伸ばしの運動なので、この運動に問題がある場合は膝のなんらかの機能に異常があると考えられます。そのためそれがどんな原因で起こっているのかを評価してそれを自分が意図的にさわり適切な治療を行うスキルがセラピストには求められます。そのための知識とさわる技術をコツコツと積み上げていきましょう。

セラピストが成長するために必要なことは、土台作りをしっかりすることだと思います。中には、あれもこれもテクニックばかりあつめている方もいるようですが、それは治療とは少し違う気がします。同じ痛みでも全く同じ病態の方はいないわけですから、その病態に合わせて適切な手技を使うのが治療だと僕は思います。土台が大きくなればその後の知慮はかなり安定した治療効果を出すことができるのではないでしょうか。皆様の臨床の参考になれば幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございました。

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