柔道整復師の気ままなセラピストなおやです。
人生100年時代と言われているけども、カラダに問題を抱えていないヒトはいません。
実際に日本人の平均寿命は80歳を超えていますが、その間すべての人が元気に自立して生活しているわけではありません。
何が言いたいかというと、平均寿命と健康寿命は違うということ、、、
- 平均寿命=生まれてからなくなるまでの寿命 約80歳
- 健康寿命=生まれてから人の助けを借りず自立して生きていられる寿命 約70歳
これをみて分かるとおりほとんどの人が約10年もの間、何かしらのことで誰かの力を借りなければ生活できないということになります。
これでは人生楽しくない。
日本人は自分の健康を維持することについて無関心すぎる。
日本人は自分のカラダのことを知らなすぎます。
- 何をしたら良くて何をしたら悪いか。
- この病気になったらどんな治療方法があって何を選択したら良いか。
ここが欠如している。危険です。
病院で働いていて思うことは、
- ほとんどの患者さんがお医者さんに治療方針を任せきる
- ひどくなってから病院に行く
ということ。
なので、飲まなくてもいい薬をたくさん処方されて薬漬けになってしまったり、治すのにすごい時間がかかり最悪手術になってしまうのです。
そうならないためにも、しっかりとカラダの知識を勉強し、ある程度自分で判断する力・予防する力をつけてみるのはどうでしょう。
今回は、膝関節についての基礎知識をまとめた記事になります。
整形外科で10年働いていて膝関節の痛みで悩んでいる多くの人を見てきました。
“膝の違和感程度の時に病院に行けばいいのに” といつも感じています。
この記事を読んで元気なカラダをつくっていきましょう。
この記事を読んでわかること
- 膝の機能
- 膝の解剖
- 膝の運動
- 網羅しておきたい膝関節疾患
- 膝の運動とケア
自分のカラダのことをしっかりと理解して、病気を未然に予防していきましょう。
膝の機能
膝関節は股関節と足首(足関節)の間にある関節です。
人の体にあるたくさんの関節にはそれぞれの役割があります。
そして、その一つ一つの役割が連動して働くことで、最小のエネルギーで最大の力が発揮できるようになっています。
膝関節には2つの役割があり、
- 安定して上半身の重さを支える
- 運動するための十分な可動性
この2つをもう少し解説していきます。
安定して上半身の重さを支える
ヒトは直立二足歩行(2本脚で歩く)が可能になり腕が自由に使えるようになりました。
その結果、両脚に上半身の体重がすべてかかるようになり、両脚で全体重を支えなければなりません。
そのため膝関節にはからだの構造上、上半身の重さがかかりやすく、その重さを安定して支える役割が求められています。
なので体重が増えると膝に負担がかかると言われているんです。膝はいつも大変な仕事をしているんです。
運動するための十分な可動性
日常生活では、歩いたり段差を登ったり、しゃがんだりといろいろな動きがあります。
それを可能にしている1つの要素が膝の可動性です。
十分な可動域を持ちスムーズに効率よく可動できる膝関節があるからこそ、私達は今の生活を送ることができています。
もし、脚が一本の棒だったらしゃがむことはおろか、階段の上り下りさえもできません。めっちゃ不便。
膝が十分に曲がったり伸びたり、これを維持することが健康の秘訣です。
ということで膝関節は、その独特な構造と筋肉によって、カラダを支える役割と十分に動く役割を果たしています。
膝の解剖
膝関節は3つの骨で構成されています。
- 大腿骨(太ももの骨)
- 脛骨(すねの骨)
- 膝蓋骨(膝のお皿)
脛骨(すねの骨)の上に大腿骨(太ももの骨)が乗っかり、大腿骨の前側には膝蓋骨(膝のお皿)があります。
膝関節は骨の形の問題ですごく不安定な関節です。非常に大きな力がかかる関節なのに不安定です。
どんなふうに不安定かというと平らな地面にタイヤが乗っかっているような感じ。
傾斜がついたらすぐに転がって行ってしまうのは想像できます。
そうならないために、膝関節は次の組織で安定しています。
4つの靭帯:膝が外れないように靭帯が骨と骨をつなげて補強している。
半月板:関節の適合性を高めると同時に、クッションの役割をしている。
膝関節を取り巻く筋肉:比較的大きな筋肉の力で膝を補強している。
よく耳にする組織もあると思います。
こいつ達が非常に大事で、これらの組織のどれか1つでも傷んだり弱くなったりすると膝の安定性はガクッとダウンし、とたんにダメージを受けやすくなります。
ちなみに膝の周辺にはどれくらいの筋肉があるのか、、、というと。
答えは13個で、細かい筋肉がたくさんあるわけではなく大きな筋肉がたくさんあります。
理由として、体幹や大腿の重量を保持すること、膝関節の保護、歩行のための可動性確保、などの役割があるから。
代表的な筋肉は、
太ももの前側:大腿四頭筋
太ももの後ろ側:ハムストリングス
など、、、
少ない大きな筋肉たちで構成されているということは、1つでも筋肉が弱ってしまうと膝の安定性が低下し、軟骨などにダメージがかかりやすくなってしまうということ。
筋肉が弱ると変形性膝関節症などの膝関節の病気になりやすくなる。要注意。
チェック!:太ももの太さを知る。
太腿の筋肉は膝関節を安定させるのに重要。
なので、自分の膝の筋肉がどんな常態なのか、簡単にチェックしておきましょう。
膝のお皿の上の端から10cmくらい上のところの太ももの太さを測ります。
ここの太さが左右比較してどちらかが極端に細い場合は注意が必要です。
膝の運動
膝関節は家のドアのような蝶番(ちょうつがい)関節で、大腿骨と脛骨の間で曲げ伸ばしが可能です。
膝蓋骨は太もも前側の筋肉と脛骨とをつなぐ腱の間にあり、膝を伸ばす際に大腿四頭筋のパワーをうまく脛骨に伝えるための滑車の役割を果たしています。
平らな脛骨の関節面を大腿骨の丸い部分が転がるように動きます。平らなものの上を転がるからとても不安定。
膝関節の蝶番のような曲げ伸ばし運動のことを屈曲と伸展といいます。
しかし単純な曲げ伸ばし運動ではなく、それに内と外の回旋(いわゆる捻じれ)が合わさって本来の膝の運動を行っています。
これは、膝関節を構成している大腿骨と脛骨の形の関係上仕方ないものというか必要な運動。
ただこの捻れが多くなりすぎると、関節軟骨や半月板、靭帯などの膝を補強している組織に負担がかかり膝関節が壊れ違和感の原因にもなります。
捻れが出ないようにするためには膝の動く範囲(関節可動域)を確保し、筋力を維持することで予防していく必要あり。
しっかりと膝が伸びて曲がるかが負担をかけないためには非常に重要です。
膝の動きの正常範囲はこちら、
膝関節の参考可動域:どこかから引用
チェック:自分の膝の可動域をチェックしよう!
関節はお互いに影響し合う(運動連鎖)
ただ膝の状態が良くても負担がかかってしまう場合もあり。
それは、周囲の関節の機能異常(固くなったり弱くなったりする)があるため。
特に、足関節(足首)・股関節・体幹の機能異常があると膝関節にダメージがかかってしまいます。
この運動連鎖による膝関節の痛みは、膝の治療をしているだけでは良くなりません。原因が他にあるため。
その場合は、それぞれの運動に問題があるためそれを改善する必要あり。
知っておきたい膝の疾患
膝関節痛で悩んでいるヒトは3000万人以上。
膝関節の代表疾患は変形性膝関節症ですが、子供の成長痛や大人の半月板損傷など幅広い年代でたくさんの疾患があります。
先程もお話しましたが人生100年時代と言われている今、早めにケアして重症にならないようにする必要あり。
膝関節はおかしいなと感じたときが重要です。
特に変形性膝関節症の初期症状は、【starting pain】 といって動きはじめの膝関節の痛みが特徴です。心当たりのある方は早めに整形外科へ受診して適切な治療を受けましょう。
整形外科に勤務していて遭遇しやすい疾患はこちら、
- 変形性膝関節症
- 膝前十字靭帯損傷
- 半月板損傷
- 鵞足炎
- ジャンパー膝
- オスグット・シュラッター病
- ランナーズニー
- 膝蓋骨脱臼
- ホッファ病
聞いたことのあるものから聞き慣れないものもありますが、この辺の疾患はよく遭遇する疾患です。
詳しい解説は別記事で説明していきますので、気になる方は御覧ください。
膝の運動とケア
最初にお伝えしたように膝関節の役割は、
- 上半身を支える
- よく動く
この2つです。なので、この2つがよくできるように維持するためのケアが必要です。
具体的には、
- 筋力の維持=トレーニング
- 可動域の維持=ストレッチ、可動域訓練
こんな感じ。
先程したチェックで問題がありそうな方は、ちょっと膝の可動性や筋力強化などのエクササイズを取り入れていくといいです。
膝に良い自宅でできるエクササイズはこちらの記事へ
膝が悪くなると、日常生活の快適具合がかなり低下します。
整形外科に来る患者さんも悩みを抱えており、
- 家事ができない
- 旅行に行っても楽しめない
- 外出したくない
など、かなり日常生活に支障をきたしている模様。そうならないためにも、日頃からのケアは重要です。
痛くなる前の予防が大切
どうせお金がかかるなら、痛くなってからかかるお金より、予防にかかるお金のほうが有意義です。
それは、痛くなってしまったら日常生活の質が非常に下がるから。“やりたいことがあってもできない” のは非常に辛いことです。
みなさん “歳のせいでしょうがない” と言われますがそんなことはありません。その言葉に逃げて思考停止するのはやめましょう。
変えられない事実を嘆くよりも、少しでも良くなる努力をするべきではないかと、その言葉を聞くと思います。
誰かに依存するのではなく、自分の人生は自分でしっかりとコントロールしていきましょう。
少しでも膝に違和感を感じたらお医者さんに相談しましょう。それでも改善しない場合はカラダ・ラボ オレンジにご相談ください。