
こんにちは、カラダ・ラボ オレンジです。
整形外科で10年。腰痛、首痛、膝痛、ケガなど、毎日いろんな治療に携わってきました。
今は全力でひざ関節の治療を行なっています。
今回も患者さんからよく聞かれる質問を解説していきます。
✔ よくある質問
ひざの痛みが強いときは、なるべく安静を心がけるべきですか。
具体的に、どんなことができるか教えてほしい。
上記です。ひざが痛くなってしまう原因は、人それぞれあり、
- 仕事がハードすぎて、ひざが痛くなってしまった。
- ひざの痛みの予防ために運動したら、ひざが痛くなってしまった。
- 久しぶりに山登りをしたら、ひざが痛くなってしまった。
という感じですが、だいたいの方が「そんなときは安静にしたほうがいいの」という悩みにぶち当たります。
今回はそんな疑問を解決していきます。
ひざの痛みが強い時に、安静にすべきワケ
ひざの痛みの原因が、炎症の場合は「 安 静 」を心がけるべきかなと思います。
ひざの痛みの原因が、炎症によるものか、また別の問題によるものかの見分け方はこちらの記事で詳しく記載しております。>>>“ひざ痛”の原因って何だろう?【頑固なひざ痛の改善方法を解説】
痛みが強い時に、ひざに起こっている問題
ひざの痛みが強いときは基本的に滑膜に炎症が起きていることがほとんどです。
滑膜炎に関しては>>>変形による膝の痛み。骨がぶつかるからではない。にて解説しています。
炎症とは、感染症や外傷による組織障害に対して、生体がその傷害因子を排除し、組織を修復するため生じる一連の反応を炎症という。これらの局所で起こる特徴的な組織変化・自覚的症状(発赤・腫脹・熱感・疼痛)を「炎症の4徴候」という。腫脹・疼痛による機能障害を加え5徴とする場合もある。
引用)病気がみえる vol.6 免疫・膠原病・感染症
上記がカラダで起きており、異常からカラダを守る大事な反応になります。
「負担がかかりすぎてますよ」という、カラダからのメッセージです。
こういったときは、負担をかけないようにすることがかなり重要です。
痛みが強いときに、もっとも心がけるべき行動
痛みが強いときは、安静にしてひざにかかる負担をなるべく軽減させる必要ありです。
安静:[名・形動]
- 安らかで落ち着いていること。また、そのさま。
- 病気治療のため、静かに寝ていること。「絶対安静」
上記です。安静の本当の意味は「静かに寝ていること」らしいですが、ここでの安静は「ひざ関節に負担をかけないこと」と考えていただければOKです。
✔ よくある質問
Q:仕事はしてもいいですか?
A:仕事の内容によると思います。長距離を歩く必要がある、階段の上り下りをたくさんする、しゃがんだり立ったりをたくさんする仕事は、控えられるのであれば控えることがおすすめです。
Q:毎日散歩をしているのですが、やめたほうがいいですか?
A:痛みが強い時期は、散歩などの運動もやめたほうがいいかもです。健康のためにやっているものが、かえって逆効果になってしまうかもしれません。痛みが落ち着くまで待ちましょう。
Q:プールでの歩行はどうですか?
A:ひざにかかる負担は減りますが、散歩と考え方は同じです。炎症が引くまで待ちましょう。
安静にしていても、痛みがなかなか引かないとき
安静にしていても、なかなか痛みが引かない場合は下記を疑います。
- 化膿性関節炎
- 関節リウマチ
- 多発性筋炎
- 痛風、偽痛風
- 大腿骨顆部骨壊死
炎症がなかなか引かないもしくは痛みの原因が他にある可能性があります。
こういった場合は、炎症を抑える以外に、その病気にあった適切な治療を行っていく必要があります。
医師にしっかりと相談し、治療を見直す必要があるかもです。
✔ 炎症の状態によって適切な運動を
とはいえ、ひざが痛いからといって、いつまでも安静にしていればいいというわけではありません。
ひざの痛みの改善に重要なのは、安静から運動へのスムーズな移行なんですよね。だいたいの方は、ここで失敗して炎症を繰り返してしまいます。
ひざ痛を上手に改善している人のほとんどは、ここの移行が上手にできている印象が強いです。安静 → 少しずつ運動量の増加、ざっくりいうとこれがポイントです。
安静にと言われた時におすすめの行動3動選
安静にと言われた場合は「早く炎症をひかしましょうね」といわれてると思って頂くことが大切です。
そのためにひ、おすすめする行動は以下のとおりで、
- 炎症止めの内服・湿布
- サポーター
- 夜だけしっかり固定
この4つを、実践していただけたらいいかなと思います。
炎症止めの内服・湿布
炎症止めの内服・湿布は「少しでも痛みを和らげるため」の処置になります。
痛みがあると、日常生活を送るのが大変ですよね。
- 膝が痛いけど仕事を休むわけにはいけない。仕事の間だけ痛みを軽減したい。
- ひざ痛すぎて、家事をすることもままならない。少しでも改善したい。
上記の悩みに対して、内服薬や湿布は効果的です。
しかし注意していただきたいのは「ひざ痛の原因を解決しているわけではない」ということ。
痛みが取れた = 治ったと勘違いしてしまうのは、結構危険かもです。
サポーター・装具
日中のひざの負担を軽減するために、サポーターや装具は有効です。
あなたのひざの筋力では、ひざの負担を減らせないから炎症が起こってしまっている状況。
なので、外からそれを補ってあげるのも一つの手です。
サポーターや装具には、柔らかい簡単なものから、金属の入った安定せの高い装具まで幅広くあります。症状や生活環境に合わせての選択です。
夜だけしっかり固定
日中は仕事で固定することはできない。でも早く痛みをなんとかしたい。
そういった方に対しては「夜だけの固定」が非常に効果的です。
みなさんあまり気にもしていないようですが、結構寝ている間もひざって動いているんですよね。
23:00就寝、6:00起床 = 睡眠時間7時間
7時間の間、ひざが動いていると考えると、その時間をしっかり固定して安静にして上げるだけでも、1日の約1/3は安静にできる計算になります。これって実は、炎症をひかすにはすごく貴重な時間になります。
どうしても負担がかかってしまう時間は諦めて、それ以外のところでしっかりと安静を確保する工夫が必要かもです。
ひざの痛みが強いときは安静にして悪いループから脱出
痛みを早く軽減するために安静にすることの大切さを説明してきました。
簡単にまとめると下記で、
- 痛みが強いときは関節が炎症を起こしている可能性があるため安静が必要
- 1週間以上たっても改善しない場合は、医師に相談する必要あり
- 安静にといわれた時におすすめの行動を4つやる
といった感じです。
お医者さんに行ってもよくわからない・自分がどうやったら痛みのループから開放されるか相談したいという方は、無料カウンセリングも行なっておりますので詳しくは>>>【ひざ痛に悩むあなたへ】無料カウンセリングの内容です。を御覧くださいませ。
では、今回はこれくらいにします。
参考文献・参考書籍
- 病気が見える vol.6 免疫・膠原病・感染症 MEDIC MEDIA
- ひざ痛 ひざの名医15人が教える最高の治し方 大全 文響社