膝関節

膝の変形は加齢に伴って起こる退行変性です【リハビリで痛みを軽減することは可能です】

投稿日:

変形性膝関節症 老人
街の整形外科に勤務していると、膝の疾患にはたくさん遭遇します。その中でも【変形性膝関節症】が多いのではないでしょうか。たくさん遭遇するということは、しっかりと患者さんの症状を改善できる必要があります。忙しい整形外科なんかではめずらしい疾患ではないので、“マッサージをして少し大腿四頭筋のトレーニングなどをして終わり”、なんていう先生も多いのではないでしょうか。しかし注意してください、その多い疾患をしっかり治療できないということは、そこの病院に行っても全然良くならないという、評判が立ってしまうかもしれません。そうならないためにも、しっかりと疾患の病態を理解し、少しでも患者さんをよくできるようになったほうが、自分のスキルアップにもなるのでおすすめです。

今回は、臨床で膝関節の変形の患者さんを診るうえで最低限必要な点を記事にしていきます。

この記事を書いているのは、整形外科に10年間勤務している僕が、膝関節の変形に対して改善させるポイントはこれだと思った知識ばかりなので、それなりに参考になると思います。

膝の変形は加齢に伴って起こる退行変性です

膝関節の変形は、関節疾患の中では腰に並ぶほど多い疾患です。動き始めに膝が痛いとか、階段の昇り降りがつらいとか、正座ができないとか、、、外来のリハビリでも非常に多く遭遇します。理由としては、構造的に不安定な関節なので、ほんの少しカラダの使い方が変化するだけで、異常なストレスが加わりやすいところにあります。年をとっていくと筋力も落ちてくるし身体感覚も鈍くなってしまうので、そういったところをいかに低下させないようにするかがセラピストの腕の見せ所です。リハビリをするときのポイントは、“膝にかかるストレスを減らしていくこと”です。これを達成するための、ポイントをつらつらと書いていくことにします。

膝の変形の分類はしっかり覚えておきましょう

膝関節 変形 レントゲン
膝関節の変形は、レントゲンにて現在の状態を知ることができます。一般的に使われる分類は“kellgren-lawrenceのX-Pの病期分類”というものが有名です。

確認するときのポイントは、

関節裂隙狭小化
軟骨下の骨硬化
関節面の不整・骨棘形成
などです。レントゲンを診るにあたって、ただこの所見を確認するだけでは治療には活かせないので、どのように臨床に落とし込んでいくのか、少し掘り下げてみます。

 

関節裂隙の狭小化

関節裂隙の狭小化が意味していることは、半月板がしっかり機能しているかということになります。半月板が退行変性してくると、ボリュームが無くなってきてしまうため、骨と骨の間が狭く見えます。このような患者さんの膝は半月板のクッションの役割がなくなってしまうため、軟骨にダイレクトに衝撃が加わることになり変性が進んでしまいます。

軟骨下の骨硬化

膝関節に負荷がかかりすぎることによって、軟骨と骨の境目が硬化してきます。この現象が意味するところは、軟骨への栄養が行かなくなってしまうということです。軟骨への栄養は、関節液による拡散と、軟骨下骨から伸びる血管からの栄養になります。軟骨下骨が硬化してしまうと軟骨への血液供給がなくなってしまいます。この状態が長期間続く事で、膝関節の軟骨の変性が加速度的に進行します。

関節面の不正・骨棘形成

間接面の不整は、軟骨が減り骨が露出して痛んでいる状態です。この状態は、ほとんど軟骨がない状態なので、骨にダイレクトにストレスがかかります。骨棘ができている関節の解釈は、構造的な不安定性があるため、関節面を骨棘を作ることによって広くし、安定性を増加させるためのカラダ防御の戦略です。骨棘ができてしまってからでは何もできないので、骨棘ができる前に安定性を上げるよう治療していきます。

レントゲン所見から、膝の状態を推測しそれにあった治療を考えていきます。この分類のステージ4では、関節の動揺性は非常に少ないと言われています。僕たちセラピストが介入できるのはステージ3の中期くらいまでになってきますが、膝関節の変形の初期はかなり軽視されがちなので、動揺性の評価をしっかり行い、できるだけ変形の進行が進まないように上手く治療を組み立てましょう。

ちなみに、皆さんご存知かとは思いますが、膝の変形は軟骨がすり減って起こるのではありません。
軟骨の代謝に異常が起こることによって起きているので、患者さんに説明する時に、『軟骨がすり減って、、、』という説明をするのはしょうがないのかもしれませんが、もし知らない先生がいるとしたら、しっかりと軟骨の変性のメカニズムは知っておいてほしいです。

膝の変形の評価はこの辺を確認してください

僕が膝の変形の患者さんを評価するとき気をつけてみているポイントは、膝の屈曲・伸展の制限がないかというところと、回旋の動揺性があるかないか、伸展位で大腿骨に対して脛骨がどの位置にあるかを評価するようにしています。屈曲・伸展がしっかりできてない場合は、回旋ストレスがめちゃくちゃ増加します。回旋の制動は、両側副靭帯が主におこなっているので、完全に膝の伸展ができない場合は、側副靭帯の制動の機能がうまく働かなくなってしまうためです。

あとは、回旋の動揺性を確認します。膝関節は単純に屈曲伸展をしているうちは問題が出にくいですが、そこに余分な回旋が加わった瞬間にどんどん悪い方向へ進行していきます。どれだけこの回旋ストレスを減らせるかが問題点です。

伸展位での大腿骨と脛骨のアライメントチェックですが、ここでも脛骨の回旋を評価していきます。膝関節の変形の患者さんを観察するとだいたいの方が脛骨が外旋しています。膝伸展の最終域では、終末回旋運動が起こることが重要と言われていますが、変形の場合はもうすでに起こっているので、伸展制限の原因は終末回旋運動が起こっていないからではないということが言えますね。

運動制限に関しては、ここで書き始めるとダラダラと長くなってしまうので分けて記事にしたいと思います。

まとめ

膝関節の変形を治療していく上でのポイントはだいたい提示できたかと思います。病態の把握、レントゲン所見の考えかた、膝の評価の仕方は、この症例以外を診るときにも役に立つ基本的な考えかただと思います。1つの関節を評価できるようになってくると、他の関節の評価もしやすくなると思います。ただ、流れ作業的に患者さんを診るのではなく、目的を持って1つ1つの行動を起こしていくとスキルアップが加速していきます。最初は評価がうまくできなくて、患者さんをよくできないので辛いと思いますが、ここを乗り越えるとスーッと光が見えてくるタイミングが必ずあるので、諦めず日々黙々と積み上げていきましょう。
最後までご覧いただきありがとうざいました。

カラダ・ラボ オレンジ

-膝関節

Copyright© カラダ・ラボ オレンジの日記 , 2019 All Rights Reserved.