膝関節

膝関節に水がたまる理由を解説します

投稿日:

膝関節 水腫

関節水腫は整形外科の外来ではよく遭遇する症状の1つです。
関節水腫に対してドクターがどんな対応をするのか、その後のリハビリはどのように展開していけばいいか最初はよくわからないと思います。
今回は、関節水腫について深掘りしていきます。

この記事は、10年間整形外科で働いている柔道整復師が、ドクターの近くで処置の様子を観察して得た知識なので参考になると思います。

■膝関節に水がたまる理由

関越に水がたまるといっても2つのタイプがあります。関節に水が溜まるのは関節に炎症が起こっている場合と怪我によって関節の中に血が溜まっている場合のどちらかです。
前者の場合は関節水腫、後者の場合は関節血腫といいます。膝に水がたまるといっても、溜まってるものの違いで、疑う疾患・対処法は違ってくるので要注意です。
関節水腫から解説していきます。関節に炎症が起こると関節液が過剰に生産されてしまいます。これが関節水腫の正体です。
関節血腫の場合は、怪我をしたことによって関節の中の靭帯・半月板・骨に何らかの異常があることを意味します。脂肪滴といって、血腫の中にキラキラとするものが(ラーメンの汁に浮かぶ油のような感じ)みられる場合は、関節内で骨折がある可能性が高いので、レントゲン上で骨に異常がない場合でもMRIにて精査をしたほうが良い場合もあります。

セラピストが臨床で関節水腫を疑う時に必要な知識とスキルは以下の通りで、

#1、患者さんの症状
#2、関節水腫の評価
#3、関節水腫への対処法

さらに、この3つを掘り下げて説明していきます。

■関節に水が溜まった患者さんの症状

多くの患者さんは、膝の腫れぼったさや屈伸時の痛み・可動域制限を訴えて来院されることが多いです。
関節に水がたまると、関節自体に曲げ伸ばしをする為のゆとりが無くなってしまうためそういった症状が出ます。
この時に、外傷の既往があるのか、ないのであれば以前も同じように水が溜まったことがあるのかなどを聴いておくと良いかと思います。
膝関節に水が溜まるということは、関節に炎症が起こっているということになるので、

 

繰り返しているようであれば、日常での膝の使い方を見直して上げる必要があります。

具体例を、2つ紹介します。

1つ目は、60歳ぐらいの女性で特に何もしていないけど少し前からしゃがみづらくなっていて、今朝起きたら膝が痛くて歩けなくなってしまい触ったらなんだか膝が晴れているような気がした。といって来院された患者さんがいたとします。この患者さんの病態の解釈は、僅かな関節炎がずっと続いていたが、ついに炎症が強くなってしまい膝の腫脹と痛みが強く出てしまったという解釈ができます。いわゆる、変形膝関節症による関節炎です。

2つ目は、45歳位の女性でランニングが趣味で毎日走っていて、2週間前くらいから走っている最中に膝に違和感を感じていた。そのまま、気にせず走っていたら、今日ランニング中に急に膝に激痛がはしり動けなくなってしまった。触ったら膝も結構腫れている。この方も、同じ関節の腫脹がありますが、おそらくこういった場合は関節血腫のほうが疑われます。理由としては、半月板の繰り返し外力による損傷が考えられるからです。

実際に、2つ目の症例は遭遇したことがあって、受傷時は他の病院に受診したのですが、レントゲン上以上がないということで関節穿刺をして返されたそうなんですが、穿刺をしたところ血腫だったそうでそのまま返されてしまったそうです。6ヶ月後症状に変化がなく歩行も痛くて辛いということで、うちのクリニックに来院されてMRIをおこなったところ、LMの断裂ということでした。

関節液と血腫では今後の治療方針も大きく変わってくるので受傷機転の詳細なチェックは重要です。

■関節水腫の評価

膝関節の水腫の評価は膝蓋跳動が一般的です。
膝蓋跳動がどんなものかというと、水を膝の膝蓋上嚢に集めて膝蓋骨を大腿骨に向かって押していくと、関節水腫がある場合コツコツと音がします。本来であれば、膝蓋骨がプカプカと浮くほど関節液は溜まっていないのでそんな感触は得られないです。実際に水が溜まっていそうな患者さんがきたらやってみてください。ポイントは、しっかり水腫を膝蓋上嚢に集めておくことです。集まってないと、膝蓋跳動はうまくできません。

■関節水腫への対処法

関節水腫は少量であれば患部への圧迫や消炎鎮痛薬の内服で対処可能ですが、量が多くなる場合は関節穿刺にて水腫を除去することが望ましいです。理由としては、
①関節炎のループが止められない
②長期間の関節水腫は大腿四頭筋の筋萎縮を助長してしまう
ということから、関節穿刺と抗炎症薬の内服をする必要があります。

穿刺後は、関節に再度水がたまらによう弾性包帯などを使ってしっかりと圧迫しておくと固定によって患部の安静・水腫の防止もできるのでぜひやってあげるといいでしょう。

■穿刺したから終わりではない

穿刺をしたから水がなくなってよかった。

ではありません。

セラピストの仕事はここからで、なぜ膝に水が溜まってしまうのか考え、その原因を改善していくのが役割になります。前の記事を読んでいただければわかると思いますので、それを参考にしてみてください。
適切な評価と治療ができるようになれば、患者さんからの信頼も得られるし自分の成功体験も積み上げられるので得しかありません。
毎日コツコツと積み上げ作業です。

■まとめ

✓関節水腫には、関節液が溜まるものと血がたまるものの2つのタイプがあります。
✓血腫の場合は、繰り返し外力による半月板の損傷なども考えられるため注意が必要
✓関節炎の場合は、炎症のループを断ち切ることが必要
✓関節水腫の評価は膝蓋跳動
✓局所の圧迫は再度水が溜らないようにするのにおすすめ

今回は、膝関節の水腫についての記事を書いてしみました。
日常でよく遭遇する症状などは、慣れてきて作業的にこなされてしまうことがあるので、1度初心に戻って丁寧に診察をするのもありです。
小さな積み重ねが、患者さんとの信頼関係を築いて行くので丁寧に話を聞いてみてください。きっと、新しい発見が見つかると思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。

カラダ・ラボ  オレンジ

-膝関節

Copyright© カラダ・ラボ オレンジの日記 , 2019 All Rights Reserved.