膝関節

年代別で考える膝関節疾患【気ままに解説】

青年期の膝関節疾患

おばあさん 
臨床で重要な膝疾患を網羅的に知りたい。

こんな疑問に答えます。

知らなければ治療できない。

どうも。気ままなセラピストです。

上記のとおりです。

とにかく、知らなければ治療はできません。

特に、疾患に対する知識に関しては “治療していい疾患か、治療してはいけない疾患か” を判断できるだけの知識が非常に重要になります。疾患の勉強をする時はこの考えを意識して勉強していくといいですね。

10年整形外科に勤務してきて年齢別に遭遇しやすい疾患をまとめたので参考にしてもらえると思います。

 

この記事を読んでわかること

  • 年代別で知っておきたい膝疾患
  • 年代別での膝疾患に対する対処法

 

この記事を読んだあとは、ここに記載されている疾患を深堀りしていくことをおすすめします。

 

膝関節疾患を年代別にカテゴリー分けするのがおすすめ

整形外科の外来や接骨院で遭遇しやすい膝関節疾患を年代別にカテゴリー分けすることをおすすめしています。

年代別に起こりやすい疾患がある程度決まっているため、問診するときに“この年代でこの症状であればこの疾患かな?”と仮説が立てやすくなるから。

例えば、

10歳くらいの男の子。スポーツ:サッカー。主訴:運動時・運動後のヒザ下の痛み。圧痛:脛骨粗面

 

こんな感じの子が来たら、きっと膝の成長痛の“オスグッド・シュラッター(Osgood-schulatter)病”だなと予測がつくはず。

逆に、同じような症状で、年齢が40歳くらいのおじさんとかだったら“膝蓋靱帯炎”とかを疑いますよね。

また、

10歳くらいの男の子。スポーツ:サッカー。主訴:歩行時の膝の痛み。圧痛:脛骨関節面。X-P所見:変形(+)

 

とかだったら、あきらかにこの年代で関節の変形が起こるのはおかしい、、、となり、膝専門医へコンサルといった形になるわけです。

なので、その年代で起こりやすい疾患をしっかりとカテゴリーわけできていいると、診察がスムーズにでき明らかにおかしい疾患はそれなりの機関におまかせするというリスク管理もできてしまうのです。

実際、カテゴリー分けはそんなに細かい必要はなくこんな感じで、

  • 小児期の膝関節疾患
  • 青年期・成人期の膝関節疾患
  • 中高年期の膝関節疾患

 

かなり大雑把ですがこれで全く困りません。あれ、これ怪しいな、、、となればいいので。

それでは、それぞれの年代別に解説していきます。

 

小児期の膝関節疾患

小児期は生まれてから中学2年生くらいまでにします。この時期は先天的にある器質的な問題や成長痛なんかがメインの疾患が多めです。

成長するに従って先天的に持っている疾患がより顕著に出てきたり、力学的に脆弱な骨端部や成長軟骨を有するためスポーツ活動によって成人とは異なる障害・損傷を引き起こすため。

また、組織の成長の度合いにより損傷しやすい部位が異なるのも特徴的。

小児期に遭遇しやすい膝関節疾患は以下のとおり、

  • 膝蓋骨脱臼
  • 分裂膝蓋骨
  • オスグッド・シュラッター(Osgood-schulatter)病
  • 発育期の腫瘍
  • 膝の不定の自発痛、夜間痛

 

1番見逃してはいけないのは“発育期の腫瘍”で、特に“悪性腫瘍”には要注意です。悪性腫瘍が疑われる場合は、早急に大きな病院へコンサルする必要があります。

画像診断などのできない接骨院などでは “いつもと同じような膝の痛みを訴えてるのに2週間くらい治療しても全く治療効果が出ない” というのが結構重要な指標になるかと。

 

10歳くらいの男の子。膝痛(+)。→いろいろな評価からオスグッド・シュラッター(Osgood-schulatter)病を疑い治療を行う。→2週間くらい治療→症状改善。

10歳くらいの男の子。膝痛(+)。→いろいろな評価からオスグッド・シュラッター(Osgood-schulatter)病を疑い治療を行う。→2週間くらい治療。症状改善せず。いつものオスグッド・シュラッター(Osgood-schulatter)病と感じが違う。

 

上記の疾患を頭に入れつつ、評価に基づいて適切な治療を行っているのに症状が改善しない場合は、いつまでも治療せず専門医にコンサルする感じにしたほうが良い感じです。

ちょっとした違いをどれだけ敏感に察知できるかがリスク管理をする上で非常に重要。

 

青年期・成人期の膝疾患

ここでの青年期・成人期とはだいたい高校から30才中盤あたりの人たちにします。

どんな人達かというと、学生だったり初々しい社会人だったりします。

この時期の人たちの疾患の特徴は“外傷と繰り返し外力”です。

 

  • 外傷→スポーツ時のコンタクト(接触)によって膝に変な力がかかり靭帯損傷や骨折などを起こす
  • 繰り返し外力→膝の不自然な使い方(knee in toe out など)によって、半月などの損傷を起こす

 

こんなところです。

具体的な疾患は以下のとおり、

  • 半月損傷
  • 靭帯損傷
  • 膝関節内および周辺骨折と脱臼
  • 棚障害
  • 膝伸展機構障害
  • 滑液包炎
  • 膝窩嚢胞、Baker嚢腫(包)
  • ガングリオン

 

この時期の疾患のリハビリの方向性は “カラダの使い方をしっかり治す” ことでして、外傷後のリハビリや負担がかかる膝の使い方の改善を目指します。

そういったところを怠ると、膝にかかる負担が軽減しないまま日常生活を送ることになるので、将来的に “変形性膝関節症” になるリスクがめちゃくちゃ高くなり余生絶望みたいな状況になりかねません。

とはいえ、この時期の患者さんはアクティブに活動してい忙しい人が多くリハビリに時間をかけない傾向があります。この問題点をどのように解決するかが非常に難しい点だといつも悩まされます。

 

中高年期の膝疾患

中高年期は40才以降とします。この時期の膝疾患のキーワードは “変形” です。

今までさんざん酷使してきた膝が少しずつ悲鳴を上げ始めます。

具体的な疾患は以下のとおり、

  • 関節リウマチ
  • 変形性膝関節症
  • 膝の無腐性骨壊死
  • 偽痛風(結晶性滑膜炎)
  • 膝に関係のあるその他の関節炎

 

加齢によって組織の変性が起こるので、膝にかかるストレスも増加し変形がより進んでいきます。

特に多いのが “健康のために運動をはじめる” こんな人には要注意で、だいたいがいきなりハードな運動をしてしまい無駄に膝へかかるストレスを増加させ傷めてしまうといった残念なケース。

治療の方向性としては “膝にかかるストレスをいかに減らして変形するスピードを遅らせるか” といったところ。

具体的には、

  • マルアライメントの改善
  • 関節可動域の改善
  • 筋力強化
  • 動作改善

 

を中心にリハビリなどを行って行くことになります。セラピストとしてまずは関節可動機の改善から手を付けるのが良いかとおもいます。

 

まとめ:年代に膝疾患の特徴を抑えましょう

年代別に注意点が頭に入っていると診察がスムーズになります。ここに書いてあるのは最低限必要な疾患なのでもっと掘り下げていきましょう。

とはいえ、思い込みほど怖いものはありません。あくまでも、この疾患を念頭に入れつつ常にまっさらな気持ちで患者さんを見るという心構えが見逃しをなくすコツです。

慢心せずコツコツと積み上げて行きましょう。

 

 

参考文献

膝診療マニュアル

書籍名:膝診療マニュアル 第5版

著者:腰野富久

出版社:医歯薬出版株式会社

 

運動器の痛み プライマリ・ケア 膝・大腿部の痛み

書籍名:膝・大腿部の痛み

編集者:菊池臣一

出版社:南江堂

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