
こんにちは、カラダ・ラボ オレンジです。
ひざ関節治療を溺愛している柔道整復師が運営している整体院です。
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利用してくれる方の中に、こんな疑問を持っている方がいます。
✔ 膝に関する疑問
ひざが痛いと、関節の変形が原因だってよく言われるけど、なんでひざ関節が変形すると痛みが出るんだろう。
骨と骨が当たるからだろうか。本当のところが知りたい。
上記に答えます。
「ひざ関節が変形すると、骨と骨がぶつかって痛みが現れるのではないか」と誤解している人がいます。
でも実際は、変形が進み骨と骨がぶつかるようになってくると、痛みは少なくなり、かわりにひざの曲げ伸ばしができないという状況になるんですよね。
では、なぜひざの変形で痛みが出てくるのでしょうか。
深堀りしていきます。
変形による膝の痛み。骨がぶつかるからではない。
先程もお話したとおり、変形が進み骨と骨がぶつかるようになってくると、痛みではなく、曲げ伸ばしができなくなって来るといいました。
膝の変形の痛み = 骨と骨がぶつかる痛み
ではなさそうです。じゃあ、なんで膝が痛いのかということになります。
ひざの変形に伴う痛み = 滑膜の炎症
上記です。詳しく説明していきます。
ひざ関節は、関節包という袋に包まれており、その袋の内側には滑膜という関節液を分泌する組織があります。この滑膜が炎症を起こすことにより、ひざ関節は痛みを起こします。
✔ 滑膜炎による痛み
ひざに負荷 → 関節軟骨や半月の摩耗 → 摩耗粉の発生 → 滑膜の炎症 → 炎症性サイトカインの分泌
実際ひざ関節の痛みは、上記のような流れで起こります。
なぜ、滑膜が炎症を起こすのか。
関節軟骨や半月が負荷によりすり減ったり傷ついたりすると、細かい摩耗粉が関節包の中にばらまかれ、滑膜にくっついて刺激します。
滑膜についた摩耗粉は、免疫反応により異物とみなされる。
上記により、滑膜の細胞から「炎症性サイトカイン」という物質が分泌され、炎症が起こり痛みが現れます。
そして、滑膜に炎症が起こるともれなく「関節に水がたまる」状態になります。
炎症性サイトカインには、血液量の増加とともに、血管を膨らませて水が血管から関節包の中へ移動しやすくする働きがあります。これにより関節に水がたまってしまいます。
これが、変形によるひざの痛みの真実です。
骨がぶつかるというのは、あまり関係がないかもです。
滑膜の炎症で起こる2次被害
滑膜炎が起こることによって、2次被害が起こります。
- 関節に水が貯まる
- 関節の動きや筋力が低下する
この2つは、非常に厄介な2次被害です。
なかなか終わらない炎症のループ
2次被害が起こることにより、炎症のループが始まります。
関節にかかる負担が増加することで、関節軟骨や半月も、もっとすり減ったり傷んだりしてしまいます。
炎症のループ
- 関節に負担
- 関節軟骨や半月がすり減る
- 摩耗粉が関節内にばらまかれる
- 滑膜の炎症
- 炎症性サイトカイン放出
- 水がたまる
- 関節の動きや筋力が低下する
- 1にもどる
上記のようなループが始まります。
✔ このループから抜け出すのはなかなか難しい
結構このループに陥っている方に遭遇するのですが、改善するのにはなかなか根気がいります。
普通に生活していて、膝に負荷がかからないことって、100%ありえないんですよね。ひざの治療は、前提として負荷がかかるのを承知しながらすすめる必要があるということ。
なので、炎症があるうちは、最低限しなくてはいけないこと以外の ひ ざ に 負 担 か か る こ と を排除しながら生活していくことが必要かもです。
こういったことが理解できない人は、なかなか良くなっていかいない事が多い印象です。自分で選んでいるのでしょうがないですが。
骨がぶつかるからではない。それは炎症だ。
変形による膝の痛みは滑膜の炎症によるものです。
決して骨と骨がぶつかっているからではありません。
ちなみに、
すり減る関節軟骨や半月がなくなれば滑膜炎は起きにくくなる。
全てではないですが、関節軟骨や半月がすり減ってなくなった方は、摩耗粉がでなくなるため、摩耗粉が原因で出ている痛みや腫れは起こらなくなります。
その代わり、その状態になったひざは、曲げ伸ばしができなくなり他の原因で痛みが出てしまいますが、、、
ということで、今回はこれくらいにします。
参考書籍・参考文献
- 膝痛 知る診る治す メジカルビュー社
- 膝診療マニュアル 第5版 MDP
- 運動器の痛みプライマリケア 膝・大腿部の痛み 南江堂
- ひざ痛 ひざの名医15人が教える最高の治し方大全 文響社