こんにちは、カラダ・ラボ オレンジです。
今日は患者数が約240万人(40歳以上人口の3.3%)といわれている脊柱管狭窄症のリハビリのポイントをお伝えします。

あなたはこんな悩みを持っていませんか?
脊柱管狭窄症の患者さんが訴える症状は
- 足のしびれが強くなるため長く歩けない
- 長時間座っていると腰やおしりが痛い
- 常に足の外側が痛い
- 足の裏に分厚い皮が一枚あるように感じる
- つま先がビリビリする
- スリッパが脱げる
などで、特に日常生活に支障が出るのが"間欠性跛行により長い距離が歩けない"ということです。
間欠性跛行は脊柱菅狭窄症による神経の圧迫が原因のためなかなか改善されません。
しかし、3つのポイントを押さえてリハビリを行えば、3ヶ月後には孫との旅行も不可能ではありません。
今回は厄介な間欠性跛行を改善させるリハビリポイントをお伝えします。
間欠性跛行のリハビリポイントは“腰椎後弯・骨盤後傾”です
脊柱菅狭窄症の原因は、背骨の老化(加齢性変化)による神経の圧迫で、神経が通っている脊柱管は腰を丸めると広がり、反らすと狭くなります。
なので立ったり歩いたりすると座っている時よりも脊柱管が狭くなりやすいため、長時間歩けない間欠性破行になってしまうのです。
では、このような特徴を持つ間欠性破行を改善するにはどうしたら良いのでしょうか。
ズバリ脊柱管を広くする。
つまり“腰椎後弯・骨盤後傾”が立った状態で作れるかということになります。
メモ
腰椎後弯とは
「弯」とはまがるという意味で、腰椎後弯とは腰骨が後ろに曲がっている状態のことをさします
骨盤後傾とは
「傾」とは傾くという意味で、骨盤後傾とは骨盤が後ろに傾いている状態のことをさします
実際に自分でできるセルフエクササイズのポイントは以下のとおりです。
- 背中を柔らかくしよう
- 腹筋を鍛えよう
- 股関節を使って歩けるようになろう
ちなみにエクササイズの順番にはこだわりがあります。
それは、【硬いところを柔らかくする→個別の筋肉を鍛える→スムーズに動かせるようにする】ということ。
※このへんはセラピスト向けに後日解説していきます。
①背中を柔らかくしよう
”腰椎後弯“をつくるには背中を柔らかくすることが大切です。
脊柱管狭窄症の方は背中の筋肉がカチコチのことが多くあります。背中の筋肉は腰を反らせる作用があるため、このようにカチコチになっていると間欠性破行になりやすい状況を作ってしまうのです。
そのため仰向けになって膝を抱えるなど、ストレッチで背中を柔らかくして、“腰椎後弯”がつくりやすい状態にすることが大切です。
出典:腰痛のプライマリ・ケア
②腹筋を鍛えよう
腹筋は“骨盤後傾”作用があるため、間欠性破行を改善させるためには必須のトレーニングです。
腹筋、特に下の方にある腹筋は骨盤に付着しているため、収縮すると骨盤を後傾させ脊柱管を広げます。
そのため、立った状態でも下の方の腹筋を上手に使い”骨盤後傾“をつくれると長く歩けるようになるのです。
出典:腰痛のプライマリ・ケア
③股関節を使って歩けるようになろう
最後に歩くときのポイントは、しっかり股関節を使って歩くということです。
股関節周りが硬くて動きが悪いと、歩く際腰を反って歩きやすくなります。
そのため股関節の特に前側をストレッチして、股関節単独で蹴り出せるようになると腰が反らず間欠性破行になりにくくなります。
出典:腰痛のプライマリ・ケア
リハビリの効果がないときは?
これまで間欠性破行のリハビリポイントは“腰椎後弯、骨盤後傾”ということをお伝えしてきました。
しかし、頑張ってリハビリしてもなかなか効果が出ない方もいると思います。
そんな方はリハビリの適応する状態ではないかもしれません。
具体例は以下のとおりです。
すぐに手術の検討が必要な状態かも
脊柱管狭窄症と診断されていて、以下のような症状がみられる場合は手術が必要な場合があります。
- 進行する筋力低下
- 膀胱直腸障害
この2つがある方はリハビリのような保存療法の適応ではなく、すぐに手術を検討した方が良いです。
脊柱管狭窄症の手術の目的は、神経を圧迫している組織を取り除くことで、手術の適切なタイミングを逃してしまうと、たとえ手術で神経の圧迫が改善されてもしびれが改善しなかったり、筋力が元に戻らないことがあります。
そのため、重度の神経の圧迫が考えられる上記の2つの症状がみられたらすぐに手術を検討してください。
メモ
膀胱直腸障害とは?
リハビリの効果が出ない状態かも
すぐに手術の検討が必要な状態ではない方でも、リハビリの効果が出にくい状態になっていることがあります。それは背骨の変形が進行していて物理的な神経の圧迫が強く、姿勢により脊柱管の幅を広げても神経の圧迫が改善せずしびれが取れない場合です。
このような状態の方は、
-
どんな姿勢でも常にしびれが強い
-
一時的に脊柱管を広げる手技(椎間孔拡大操作)をしてもしびれが改善しない
という特徴があります。
そのような方は、残念ながらリハビリを継続しても間欠性破行が完全に良くなる可能性は低い印象があります。
とはいえ、【手術はしたくないから今の状態が維持または悪化しなければ良い】という方は頑張ってリハビリを継続しましょう。
先ほどの間欠性破行改善のリハビリポイントは脊柱管狭窄症を悪化・進行させないためにも重要です。
リハビリのやり方が間違っているかも
当たり前ですが、リハビリのやり方が違うと間欠性破行は改善しません。
むしろ悪化することもあります。
整形外科に勤め毎日何十人の脊柱管狭窄症の方とお話ししていると
「この間テレビでやってた腰痛体操を始めました」
と明かに腰を反らせながらスクワットを見せてくれる方がいます。
現在、患者数が約240万人もいる脊柱管狭窄症はテレビや雑誌などでも取り上げられることが多く色々な体操があります。
とはいえ、やり方を間違えると間欠性破行が改善しないだけではなく悪化させてしまう可能性がありますので要注意です。
まとめ
今回は脊柱管狭窄症の代表的な症状である間欠性破行を改善するリハビリポイントをお伝えしました。
テレビや雑誌で紹介されているように色々は体操がありますが、どの体操も“腰椎後弯・骨盤後傾”をつくるための体操です。
しかし、やり方を間違えると症状を悪化させてしまう恐れがあるので、リハビリを始めるときには最初だけでも誰かに見てもらってください。
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やり方がわからない
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頑張ってリハビリしてるのに改善しない
など脊柱管狭窄症の間欠性破行でお困りの際はお気軽にご連絡ください。