柔道整復師

【骨折とは】柔道整復師が骨折の基礎を詳しく解説します。

投稿日:2019年6月9日 更新日:

この記事の目標は、
骨折をした患者さんがどんな状態か説明できる
を目指して学習していきましょう

人のカラダの柱になっているものが骨ですが、その骨がいろいろな外力によって折れてしまいます。
柔道整復師は、骨折を扱う仕事なので骨が折れるということがどんなことか知っておいたほうがいいでしょう。

骨折とはどんな状態のことか

“骨折は骨組織の連続性が完全あるいは部分的に離断された状態をいう”と定義されています。
言い回しが難しければ言い換えようと思いましたがそのままでした。
例を挙げると、
手をついて橈骨遠位端が激しく転位していても骨折ですし、はしりすぎて中足骨にヒビが入っても骨折ということです。
患者さんの多くは、転位が激しくなければ
ははん。ズレてないし軽症だわ。
なんて言いますが大きな間違いです。

転位のない骨折や骨折が明らかではないが疑われるものほど、患者さんには気をつけてもらわなければいけません。
理由としては、軽視して使ったことによって転位が強くなったり、ヒビが完全な骨折になったりしてしまう可能性があるからです。
患者さんは、結構はっきり骨折だと言われないと軽視する傾向があります。
柔道整復師が、それに一緒になって喜んでしまうのは少しまずので、しっかりと今後の見通しを患者さんに説明できるといいかなと思います。

僕だったら、
骨が大きくズレていなくて良かったですね。
ただし油断してしっかり固定をしないで、使ったりしていくと今の状態を維持できずに骨がズレてきてしまう可能性があります。しっかりと固定してこのままの状態をキープできるようにしましょう。キープできれば問題なく治っていくと思います。
みたいな感じでいつも説明します。

ちゃんと固定しないとどんなリスクがあるか、漏らさず話して患者さんの理解を得られるようにしましょう。

骨折のさまざまな分類

骨折の分類は無駄にたくさんあります。
とりあえず網羅していきます。

  • 骨折の原因による分類
  • 骨折の程度による分類
  • 骨折線の方向による分類
  • 骨折数による分類
  • 骨折部と外層が交通しているかによる分類
  • 外力の働いた部位による分類

分類が大好きなようですね。
1つずつ解説していくとしましょう。

骨折の原因による分類

骨折が何で起きているのかで分類しています。

外傷性骨折:正常な骨に大きな外力が加わることによって起きた骨折です。一般的に骨折と言ってイメージされるのがこれです。骨片転位ありの場合が多いです。

  • 疲労骨折:骨に繰り返し小さな外力が加わって起きる骨折です。一般的に大きな転位はみられません。軽視されます。
  • 病的骨折:特発性骨折とも言います。骨に基礎疾患があり弱くなっていると普段折れないような外力でも骨折します。身近なものが老人性の骨粗鬆症による脊椎の圧迫骨折です。

なぜこれを知っておく必要があるかというと、単純に治療の方向性が違うからです。
いくら柔道整復師が骨折の治療をする仕事だとしても守備範囲ってもんがあります。
流石に骨密度の低下しておきた脊椎の圧迫骨折は治せません。
どんな治療をすべきか方向性を決める上でこの分類は重要です。

骨折の程度による分類

  • 完全骨折:骨の連続性が完全に絶たれてしまっている骨折
  • 不全骨折:一般的にヒビと呼ばれるようなもので骨の連続性は保っているけど傷んでいる状態です。この中にも、亀裂骨折、若木骨折、陥凹骨折、竹節状骨折、骨膜下骨折、骨膜損傷、などがあります。

若木骨折などは、臨床ではよく遭遇する不全骨折で、整復した時にパキッという整復音を感じることが出来ます。

骨折線の方向による分類

骨に対してどんなふうに骨折線が走っているかで分類されます。

  • 横骨折
  • 縦骨折
  • 斜骨折
  • 螺旋骨折
  • 複合骨折

横骨折

骨長軸に対して骨折線が垂直に入ったものを言います。介達外力での発生は稀のように感じます。
ドアに手を挟んとか、物を足に落としたとか、直達外力でよく横骨折は起こる印象があります。
骨癒合は骨折面が離れていると悪いといわれるので、牽引のし過ぎは要注意で骨折部には少し圧迫がかかるようにしてあげると良いです。

縦骨折

骨長軸と平行に骨折線が入るものを言います。
あまり見かけたことのない骨折線です。都市伝説かもしれません。
嘘です。肘頭の骨折で1度だけみたことがあります。非常にめずらしいです。

斜骨折

骨長軸に対して骨折線が斜めに入るものをいいます。臨床上非常に多いです。
骨折線が斜めに入っているので、短縮転位を起こしやすいです。この短縮転位をいかに起こさせないかが柔道整復師の腕の見せ所です。
極論を言ってしまえば、骨折部に常に牽引力がかかっていれば問題ないです。現実的には難しいですが、、、
なので、固定をするとき考えているのは動いてしまうスペースを無くしてあげることです。
これがめちゃくちゃ重要です。

螺旋骨折

骨長軸に対して骨折線が螺旋状に入っているものをいいます。これも斜骨折と同じくらい多いです。
僕が思うに、同じ手をついた人でも骨折になる人とならない人の違いはどれだけ強い回旋ストレスがその部位に掛かるかだと思っています。
回旋ストレスがかからなければ基本的に骨折にはならない。回旋ストレスが掛かるということは、骨折線は斜骨折か螺旋骨折になりやすいと考えられます。

複合骨折

複数の骨折線が走る骨折で骨片がいくつかあるもののことです。
T字状骨折、Y字状骨折、V字状骨折、骨片骨折、粉砕骨折
などがあります。骨片が多ければ多いほど、骨折部は不安定になりやすいので整復・固定が無↑悪しくなります。

骨折線を把握することは、整復のやりやすさや整復位の保持のしやすさを考える時にすごく重要になる要素なので、しっかりとチェックできるようになると臨床力が上がると思います。

骨折数による分類

骨折箇所による分類です。

  • 単発骨折:1本の骨が1ヵ所で骨折したもの
  • 複数骨折:1本の骨が2ヵ所で骨折したもの
  • 重複骨折:1本の骨が3ヵ所以上で骨折したもの
  • 多発骨折:2本以上の骨が同時に骨折したもの

重複骨折と粉砕骨折が同じようなくくりなのかは疑問ですが、同じ骨で場所が違うところが折れることはそれほど経験がありません。
多発骨折は撓骨遠位端骨折なんかで尺骨茎状突起が一緒に骨折している事があるので割と遭遇しますね。

骨折部と外創が交通しているかによる分類

骨折部が皮膚から飛び出しているものを複雑骨折(開放性骨折)といい、飛び出していないものを単純骨折といいます。
良く複雑骨折と患者さんがいうのはこれのことではなく、粉砕骨折のことだと思います。

これの問題は、骨折部が細菌感染を起こしてしまう可能性があるというところです。
これは、無理に整復をせずドクターに任せるのがいいと思います。

外力の働いた部位による分類

直達外力と介達外力があります。
バットで腕を殴られて殴られた部位が折れた場合は直達外力で、手をついて前腕が折れた場合は直達外力です。
臨床では圧倒的に介達外力が多い印象があります。

いろんな分類がありますが、参考程度に覚えておくと治療の手助けになります。

骨折の症状

骨折の症状には次の2つがあります。

外傷の一般症状
骨折の固有症状

外傷の一般症状については置いておきます。
それよりも重要な骨折の固有症状があります。

  • 異常可動性
  • 軋轢音
  • 転位と変形

1つずつ解説していきます。

異常可動性

骨折が起きている場所は可動性が生まれるので本来動かない場所が動きます。
ただ実際の患者さんからしたらすごく痛いことなので、臨床では異常可動性をガンガン確かめることはしません。愛護的に少し動くかを確かめる程度です。痛いことをすると基本的に患者さんは離れていきます。
なるべく痛くないようにしてあげましょう。

軋轢音

“あつれきおん”と読みます。
骨折すると骨折部同士がコツコツと当たる感覚があります。
軋轢音が出ない骨折としては

  • 異常可動性が存在しない骨折
  • 骨折端が離れている骨折
  • 騎乗骨折や噛合骨折など
  • 骨折部に軟部組織が入り込んでいる場合

この場合には軋轢音は生じません。

転位と変形

大体の骨折は骨片が転位しているので外観は変形しているように見えます。
有名なところでは、撓骨遠位端骨折の背側転位のフォーク状変形等です。
外観を見て判断する場合はしっかりと患側比較をする必要があります。

骨折時の全身症状

骨折時の全身症状として血圧の低下や貧血はよくあります。
かなり痛みが強いですから、整復後など吐き気をもよおしてしまう患者さんもいます。
なるべく痛みが出ないように整復してあげたいのですが難しい場合もあります。
ほんとごめんなさいといった感じです。

骨折の合併症・続発症・後遺症

骨折の合併症で注意したいことは、

  • 遷延治癒
  • コンパートメント症候群
  • 偽関節
  • 変形治癒

この4つは特に注意が必要です。

固定期間が短く骨折部の安定が得られない場合は、変形治癒をしたり偽関節になったりします。
あらかじめ、想定される後遺症などがあるのであれば、治療を開始する前にしっかりと患者さんに説明をして治療を選択して貰う必要があると思います。

骨折の癒合日数

骨折の癒合日数は、患者さんに大まかな固定期間などを伝えるのに役に立ちます。
固定はかなり窮屈なのでそれをどれ位していなければいけないのかわからないのはさらにストレスが増します。
ある程度の目安を伝えることで患者さんの安心感は増しますし、これからの治療の流れをくみやすいです。
学校ではGulutの骨癒合日数を教わりますが、Caldwellの骨癒合の分類のほうが詳しく書いてあるのでぜひそれも参考にしてみるといいと思います。

骨折とは柔道整復師の強みを発揮できる外傷です

どのセラピストにも出来ない骨折を治療するということをできるのが柔道整復師のすごいところです。
そのためには、骨折に対しての整復や固定の仕方、リスク管理について知っておかなければいけないと思います。
今回は、総論的な話に自分の経験を交えて記事にしてみました。
骨折治療の参考にしていただければと思います。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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