柔道整復師

【橈骨遠位端骨折とは】よく遭遇するので解説します。

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撓骨遠位端骨折は整形外科にいるとよく遭遇します。
大体の人は転んだらまず手を付きますからね。

手をつくことによって橈骨に力が加わりポキっと折れてしまうわけです。

撓骨遠位端骨折は、よく遭遇するのですが結構治療が難しいです。
きれいに整復しても固定がだめだと再転位してしまいますし、固定がだめでも再転位します。

再現性の高い保存療法があればいいのですが、施設の方針や個人のスキルにも大きく影響されるのでなかなか難しいかもしれないです。

今回は各論に入る前に、撓骨遠位端骨折とはどんな骨折なのかをまとめていきたいと思います。

橈骨遠位端骨折とは

ズバリ橈骨の骨折です。皆さんご存知だとは思います。
橈骨遠位端骨折には、

  • 橈骨遠位端伸展型骨折(コーレス骨折)
  • 橈骨遠位端屈曲型骨折(スミス骨折)
  • 掌側バートン骨折
  • 背側バートン骨折

があります。

教科書的には、

    • 骨折頻度が多い
    • 小さい子供からお年寄りまで幅広い層に発生する
    • 子供は、若木骨折や竹節状骨折が多く予後は良い
    • 子供から成人では手関節から約1〜3cm付近での完全骨折が多い
    • 老人は粉砕骨折や多発骨折が多く、粉砕したものは完全整復が困難である
    • 長期間の固定によって関節機能を障害されるが、固定期間が短いと変形する
    • 老人の場合は、解剖学的治療より機能的治療に主眼を置き、拘縮がおきないようできるだけ早期に自動運動を開始させる

参考・引用:柔道整復学【理論】改定第4版

と書いてあります。
確かに臨床で、橈骨遠位端骨折をみていると教科書に書いてあるとおりだと思います

僕が臨床で経験したことがあるのは、背側バートン骨折以外になります。
その中でも、橈骨遠位端伸展型骨折(コーレス骨折)が圧倒的に多いです。

4種類の骨折を僕の経験を交えて深掘りして見ていきたいと思います。

橈骨遠位端伸展型骨折(コーレス骨折)

発生機序
手掌をつくことによる介達外力によって発生します。橈骨遠位端への長軸圧と手関節の過背屈が強制されことによって起こります。

症状

骨折線:掌側遠位から背側近位に抜けていく骨折線です
骨片転位:骨片転位は中枢編に対して、末梢片がどの方向にあるかです。伸展型骨折では、背側・橈側・短縮・回旋になります。

外観

遠位骨片が転移することによって厚さと幅が増加します。背側転位をフォーク状変形、橈側転位を銃剣状変形といいます。

腫脹

手関節周囲がめちゃくちゃ腫れます

疼痛

運動痛は強く、圧痛は骨折部に一致してみられます。圧痛をしっかり取りましょう。

機能障害

動かすとめちゃくちゃ痛いのであります。特に回内・外に関しては強くみられるので転位が残ってしまったまま治癒してしまうと機能障害が残存します。

合併症

尺骨茎状突起骨折、DRUJ離開

整復法

牽引直圧法:転位が軽度のものに使用します。引っ張って橈側・短縮・回外転位を整復し、残った背側転位を掌側に圧迫して整復完了です。
屈曲整復法:末梢片が背側に騎乗しているものに対して使用します。骨折した方向に折り返し、そのまま牽引末梢片が中枢編を乗り越えたら牽引を緩めずに屈曲して整復完了です。

固定

肢位:肘関節90°屈曲、前腕回内、手関節軽度屈曲(掌屈)、軽度尺屈

後療法

1週間は再転位に注意し、2週間以降から徐々に良肢位に近づけます。手指の拘縮予防のため翌日より運動を開始させ、4〜5週で骨性の癒合を認めたら固定を除去し自動運動を徐々に行ってもらいます。高齢者の場合は、肩、肘関節に拘縮が生じやすいので要注意です橈側・短縮・回外をとり、最後に骨折部に圧迫をかけて背側転位を取る整復法です。

橈骨遠位端屈曲型骨折(スミス骨折)

発生機序

コーレス骨折に対して稀な骨折で、手背をついて転倒した際にこの骨折になります。
どういう状況だよと突っ込みたくなりますが、自転車のハンドルを握ったままとかそんなシュチュエーションです。
怪我するときはだいたいどんな姿勢をしているかわからないですからね。

症状

骨折線:背側遠位から掌側近位に抜けていく骨折線です
骨片転位:掌側・橈側・短縮・回旋転位をします

外観

掌側転位が強度になり末梢骨片が騎乗・短縮すると鋤型変形と呼ばれる外観になります。

疼痛、機能障害、合併症は伸展型骨折と類似します。
手のどの部分をついたかで、骨片転位も変わるので、本人が受傷機転を覚えていなくても骨片転位から推測することも出来ます。

整復法

牽引直圧法:末梢牽引をして、橈側、短縮、回旋転位を取り除きます。充分に牽引が出来たら背屈して整復終了です。伸展型骨折もそうでしたが受傷機転と逆の操作をすればOKです。

固定法

肘関節90°屈曲、前腕回外、手関節軽度伸展(背屈)、軽度尺屈

後療法に関しては伸展型骨折と同じです。

掌側バートン骨折・背側バートン骨折

発生機序

伸展型・屈曲型と同じです。

骨片転位

背側バートン:橈骨の背側側が少しかけて末梢片と一緒に手部が背側方向に脱臼します。
掌側バートン:橈骨の掌側側が少しかけて末梢片と一緒に手部が掌側方向に脱臼します。

整復法

教科書的には、両方とも牽引直圧法で行います。
バートン骨折は。整復は意外と容易にできますが、整復位の保持が非常に難しく感じます。

とにかくよく骨片転位を理解しましょう

臨床で実際の患者さんを診ると、色々なバリエーションがあるので教科書的な内容だけでは間違いなく再転位します。
撓骨遠位端骨折のすべてのタイプにそれぞれ適切な整復固定が存在します。
それは個別に記事として書いていきますが、ズレないポイントと言うか考えかたを覚えていくと他の骨折にも応用できるかなと思います。
そのズレないポイントを理解するためにも、受傷機転と骨折線の入り方、骨片の数と転位の方向は重要な情報なので、過不足なくインプットできるといいかなと思います。

今回は撓骨遠位端骨折をまとめてみました。
違う記事でひとつひとつのタイプに対して詳しく掘り下げていきたいと思います。
乞うご期待です。

最後までご覧頂きありがとうございました。

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